学術情報
システイン(Cysteine)
システイン(Cysteine)
システイン(Cysteine)とは
- システイン(Cysteine)は、非必須アミノ酸の一つ。
- 2-アミノ-3-スルファニルプロピオン酸のこと。
- 側鎖に、チオール基を持つ。
- 略号は、Cys または C。
- 等電点は、5.05。
- チオセリンとも言う。
- 酸性条件下では安定だが、中・アルカリ性条件では微量の重金属イオンにより容易に空気酸化されシスチンとなる。
- 酸化型のシスチンと対比し、還元型であることを明らかにするために CySH と記されることもある。
- 親水性アミノ酸、中性極性側鎖アミノ酸に分類される。
- 含硫アミノ酸。
- 蛋白質構成アミノ酸のひとつで、非必須アミノ酸。
- 糖原性を持つ。
- 少量ではあるが大部分の蛋白質にみられる。
- 誘導体である N-アセチル-L-システイン (NAC) は一般的なサプリメントであり、抗酸化剤のグルタチオンへと代謝される。
- システインの名はシスチンから付けられたが、これはギリシャ語で膀胱を意味するkustisに由来する。
- シスチンは腎臓結石から最初に単離された。
- 赤唐辛子、ニンニク、タマネギ、ブロッコリー、芽キャベツ、オート麦、小麦胚芽に含まれる。
- 体内ではメチオニンから作り出される。
- 主として自然に存在する L-システインの形で、食物、医薬品、パーソナルケア製品に用いられる。
- 最も主要な用途は香料の製造である。
- 例えばメイラード反応で糖と反応させると肉の香りを持つ成分が生成する。
- また、パンを焼くときの添加剤としても使われる。
- 少量(約 10 ppm 程度)を加えることによって生地がやわらかくなり、製造にかかる時間が短縮される。
- パーソナルケアの分野では、主にアジアでパーマネントウエーブに用いられる。
- システインは髪のケラチンのジスルフィド結合を切断する。
- 生体分子の構造・動態を研究する際に行われる部位特異的標識実験の対象としても一般的である。
- マレイミドはマイケル付加によって選択的にシステインと結合する。
- 電子スピン共鳴での部位特異的スピン標識にも用いられる。
- 誘導体の N-アセチルシステイン (NAC) はしばしば鎮咳剤として用いられる。
- これは、粘液中のジスルフィド結合を切断して液状化させ、痰を切れやすくするためである。
- 既に述べたようにサプリメントとしても使われる。
- タバコ製造業の上位5社の1994年の報告によると、システインは紙巻タバコへの599の添加物のうちの1つである。
- 他の添加物と同様、添加の目的は明らかにされていない。
システイン(Cysteine)の構造式
システイン(Cysteine)の構造式