日本薬学会第127年会 | 発表報告

イベント情報

2007年3月28日(水)~30日(金)、富山国際会議場を中心に『日本薬学会第127年会』が開催されました。

日本薬学会第127年会

本学会は明治13年(1880年)、我が国では最も古い学会の一つとして誕生しました。「くすり」に関係する研究者や技術者が学術上の情報交換を行い、学術文化の発展を目的とした歴史ある学術団体です。本年会において、3月28日、アークレイの機能性素材に関して、岡山理科大学、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター、鈴鹿医療科学大学、名古屋文理大学との共同研究成果の発表を行いました。

今回の発表はポスター3演題で、タンパク質糖化反応阻害物質の基礎的な作用機構の部分から、スクリーニング結果から得られた植物を組み合わせた混合ハーブエキスのin vitroでの抗糖化・抗酸化作用、STZ糖尿病誘導ラットを用いた試験、そして、糖尿病患者の方を対象とした摂取試験と幅広い内容での研究成果でした。基礎的な作用機構の発表は岡山理科大学・理学部の松浦信康先生により行われ、混合ハーブエキスを用いたヒト試験を中心とした結果については、開発担当の八木雅之、河合博成の2名が行いました。

日本薬学会第127年会

今回の注目点は、混合ハーブエキスの糖尿病患者の方を対象とした摂取試験で、血中の最終糖化生成物(AGEs)の低下(抗糖化作用)、尿中のイソプラスタンの減少(抗酸化作用)が確認されたとともに、血清DHEA-sの増加傾向、皮膚弾力が向上するといった結果から、アンチエイジングへの有用性が認められたところです。

本結果は抗糖化作用がアンチエイジングに有用な一つの因子であることを示唆する内容となりました。

日本薬学会第127年会

当日の会場は大変盛況で、これら3演題のポスターの前は、常時数名の参加者に取り囲まれるといった状況でした。参加者からの質問には、「カモミール中の有効成分であるカマメロサイドの作用メカニズムは?」、「4種類のハーブそれぞれ単独のメイラード反応阻害(抗糖化)作用は?」、「抗糖化と抗酸化がアンチエイジングにどのようにかかわっているのか?」など多岐にわたり、活発なディスカッションが行われました。今後の展望についても、質問があり、さらに対象者を増やしたヒト試験などを通して色々な視点から有用性を検討していく旨を説明させていただきました。

なお、この研究成果などをもとに、開発された商品が、ハーブエキス『AGハーブMIX』です。

ご多忙中にも関わらず、ご参加いただいた皆様におかれましては、誠にありがとうございました。

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