アークレイ機能性素材セミナー2007 | 開催報告
2007年8月1日(水)、大手町サンケイプラザ(東京・大手町)にて『アークレイ機能性素材セミナー2007 ~信頼性の追及、ヒトへの臨床研究と機能性~』を開催いたしました。昨年は同時期に京都にて開催いたしました。今回は副題にもありますように、機能素材に関するヒトへの臨床研究についての内容を主体としました。当日は4名の講師の先生方をお招きし、約60名の食品、健康食品の企画・開発部門の方を中心に御参加いただきました。
第一部は『β-クリプトキサンチンの機能性』というテーマで2名の先生に御講演いただきました。
最初に「βークリプトキサンチンのがん予防効果」という演題で、西野輔翼先生(京都府立医科大学特任教授・立命館大学特別招聘教授)にご講演いただきました。ご講演の中では、温州ミカンに多く含まれるカロテノイドであるβ-クリプトキサンチンのがん予防効果について、動物試験、疫学研究結果に引き続き、テーラーメードのがん予防というテーマでC型肝炎ウイルス性肝硬変患者を対象にβ-クリプトキサンチンとイノシトールを含んだジュースを用いた長期飲用試験による発がん抑制効果について講演いただきました。また、今後は携帯性などを考慮し、パウチ型食品を用いて研究を行っていく予定であるという内容で締めくくられました。
次に「カンキツ機能性成分の抗メタボリックシンドローム作用」という演題で河田照雄先生(京都大学大学院農学研究科・食品生物科学専攻・食品分子機能学分野 教授)にご講演いただきました。ご講演の中では、脂肪細胞の生理及び病理学的な側面ならびに細胞分化の分子機構と糖尿病、動脈硬化症をはじめとする生活習慣病、さらにはそれらが複合的に絡み合った新しい疾患概念であるメタボリックシンドロームに対する予防・改善の生理・病理学的要点について解説いただきました。さらに、抗肥満、抗炎症作用を有する食品成分、特にカンキツ由来機能性成分についても講演いただきました。
最後にアークレイの佐々木より、温州みかんエキス「クリプトベータ」について最新情報を含めて紹介させていただきました
第二部は『臨床における生体老化のモニタリング』というテーマで2名の先生にご講演いただきました。
最初に「メイラード反応が生体に与える影響と疾病」という演題で、宮田哲先生(神戸海星病院内科部長・糖尿病センター長)にご講演いただきました。ご講演の中では、メイラード反応(蛋白質と還元糖との非酵素的反応)の反応経路とその反応により最終的に生じる後期段階終末産物群(AGEs)の糖尿病合併症や加齢現象の病態との関連性について解説いただきました。また、これらのAGEs形成に至るまでに、3-デオキシグルコソン(3-DG)やメチルグリオキサール(MG)などの後期段階中間体をターゲットとして糖化反応を阻害することが、糖化反応関連の病態阻止に有用であることが示唆されると締めくくられました。
次に「血管年齢とストレス評価 健康管理ツールとしての加速度脈波計アルテット」という演題で高田晴子先生(鈴鹿医療科学大学・医用工学部・臨床工学科教授)にご講演いただきました。ご講演では先生が開発された血管年齢を推定する機器である加速度脈波計アルテットについて測定原理から、その具体的な応用例に至るまで多岐にわたる内容で解説いただきました。「血管老化スコア」「血管年齢」さらには自律神経機能の働きやバランスを推定する機能を有するアルテットが今後、薬剤効果や食品効果の評価への応用とともに、これからの生活習慣病予防のために、自分の健康状態を把握・改善していくための健康管理支援ツールとして多くの分野で使われることへの期待を込めた内容で締めくくられました。
最後にアークレイの久保より、混合ハーブエキス「AGハーブMIX」について、ヒトでの評価試験結果を中心に最新の情報を紹介させていただきました。
また、会場入り口付近では、アークレイの製品を展示致しました。
当日は関東では平年より十日以上遅い梅雨明けと重なり、猛暑の中でしたが、参加者、講演の先生方を交えて活発な議論が行われました。
猛暑の中、ご多忙中にも関わらず、ご講演いただいた先生方、ご参加いただいた皆様におかれましては、誠にありがとうございました。
プログラム内容
アークレイ機能性素材セミナー2007 ~信頼性の追及、ヒトへの臨床研究と機能性~
- 日時:2007年8月1日(水) 13:10~18:00(12:40開場)
- 場所:大手町サンケイプラザ 301・302室 東京都千代田区大手町1-7-2
- 主催:アークレイ株式会社 新規事業部 からだサポート研究所
- 12:40
- 受付開始、開場
- 13:10~13:20
- 開催挨拶 アークレイ株式会社
第一部 「β-クリプトキサンチンの機能性」
- 13:20~14:10
- β-クリプトキサンチンによるがん予防効果
西野 輔翼 先生(京都府立医科大学 特任教授 兼立命館大学 特別招聘教授) - 14:10~15:00
- カンキツ機能性成分の抗メタボリックシンドローム作用
河田 照雄 先生(京都大学大学院農学研究科 食品生物科学専攻 食品分子機能学分野 教授) - 15:00~15:20
- うんしゅうみかんパルプ「クリプトベータ」のご紹介
佐々木 貴生(アークレイ株式会社) - 15:20~15:30
- 休憩
第二部 「臨床における生体老化のモニタリング」
- 15:30~16:20
- メイラード反応が生体に与える影響と疾病
宮田 哲 先生(神戸海星病院 内科部長) - 16:20~17:10
- 血管年齢とストレス評価 健康管理ツールとしての加速度脈波計アルテット
高田 晴子 先生(鈴鹿医療科学大学 医用工学部 臨床工学科 教授) - 17:10~17:30
- 混合ハーブエキス『AGハーブMIX』のご紹介
久保 基 (アークレイ株式会社) - 17:30~18:00
- 名刺交換会