第30回日本肥満学会 | 発表報告
2009年10月9日、10日の両日、静岡県浜松市内のアクトシティ浜松で第30回日本肥満学会が開催されました。
今回のテーマは「ストップ・ザ・こどものメタボ」です。
本学会においてアークレイでは京都大学大学院農学研究科 河田先生との共同研究内容であるハッサク中に多く含まれるオーラプテンの抗メタボリックシンドローム作用、抗炎症作用に関して京都大学から2題を発表しました。
ひとつ目は、「オーラプテン摂取により、肥満・糖尿病モデルマウスの糖・脂質代謝は改善される」と題して、モデルマウスにおいてオーラプテンを摂取することでインスリン抵抗性を改善すること、脂肪組織重量が減少し抗肥満作用を発揮すること、肝臓において中性脂肪含量が減少し、PPARαの標的である脂肪酸酸化系遺伝子発現量が増加することを明らかにしました。
ふたつ目は、「オーラプテンが肥満に伴う脂肪組織の炎症反応に及ぼす影響」と題して、オーラプテンの抗炎症作用について、in vitroでの脂肪細胞とマクロファージ共添加状態で炎症性アディポサイトカインであるMCP-1、TNF-αの分泌量の増加がオーラプテンを添加することで有意に抑制されることを明らかにしました。
どちらの発表とも大変多くの方々に聴講していただき、特に動物実験の結果報告については、立ち見が出るほどの状態で、食品成分中の機能性についても非常に関心を持っていただけたのではないかと思います。
これらの結果を踏まえ、今後オーラプテンについても素材化検討を進めて参ります。
聴講いただきました皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。