学術情報
ポリメトキシフラボノイドとは
ポリメトキシフラボノイドとは
フラボノイドとは
フラボノイドとは、図1や図2のようなC6-C3-C6の基本骨格を持つ一連の植物色素(無色を含む)の総称です。紫外線を吸収することから、植物を太陽の紫外線から守る作用があるといわれています。また、フラボノイドの中には、病原菌に対して抗菌力を有するものや、昆虫を誘引または忌避させる作用を有するものもあります。
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図1. フラボノイドの基本骨格
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図2. イソフラボノイドの基本骨格
フラボノイドにはさらに分類があり、フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、カルコン類、フラバン類,イソフラボン類,アントシアニン類などに分かれます。
フラボンとは
フラボンとは、フラボノイドのうち、図3のような基本骨格をもち、3位にヒドロキシ基 (-OH) を持たないものをいいます。
図3. フラボンの基本骨格
代表的なフラボンには、アピゲニン(5,7,4′-トリヒドロキシフラボン)、ルテオリン(5,7,3′,4′-テトラヒドロキシフラボン)があります。
ポリメトキシフラボノイド(ポリメトキシフラボン)とは
メトキシ基(-OCH3)がたくさん付いたフラボンをポリメトキシフラボン(polymethoxylated flavone または polymethoxyflavone)といいます。
なお、ここではポリメトキシフラボンの上位の総称である「ポリメトキシフラボノイド」を使用します。
種類と構造式
ミカン属(citrus genus)の果皮に含まれる代表的なポリメトキシフラボノイドは、図4のような種類があり、類似した構造式になっています。
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図4. ミカン属の果皮に含まれるポリメトキシフラボノイド
(Zhenyu Wang, et al:J.Sep.Sci. 31:30~37, 2008より)
これらをメトキシ基の数で分類すると、以下のようになります。
メトキシ基 | ポリメトキシフラボノイド |
---|---|
4個 | 5,6,7,4′-テトラメトキシフラボン |
5個 | タンゲレチン、シネンセチン |
6個 | ノビレチン、3,5,6,7,3′,4′-ヘキサメトキシフラボン |
7個 | 3,5,6,7,8,3′,4′-ヘプタメトキシフラボン |
性状
ノビレチンの性状
- 融点 :137-138℃
- 溶解性:水、エーテルにあまり溶けない。
- 色調 :結晶は、針状で無色。
供給源
ポリメトキシフラボノイドは、特にカンキツの果皮に多く含まれています。(詳しくは第3回に記載します)
参考文献
- Zhenyu Wang, et al:J.Sep.Sci. 31:30~37, 2008