チロシン(Tyrosine)とは
- チロシン(Tyrosine)は、非必須アミノ酸の一つ。
- 2-アミノ-3-ヒドロキシフェニルプロピオン酸(p-ヒドロキシフェニルアラニン)のこと。
- 側鎖に、フェノール部位を持つ。
- 略号は、Tyr または Y。
- 等電点は、5.66。
- タンパク質を構成するアミノ酸。
- 極性無電荷側鎖アミノ酸あるいは芳香族アミノ酸に分類される。
- 糖原性・ケト原性を持つ。
- チーズから発見されたため、それを意味するギリシャ語の tyros から tyrosine と名付けられた。
- ヒドロキシ基の位置が異なる3種類の異性体、パラ-Tyr (p-Tyr)、メタ-Tyr (m-Tyr)、オルト-Tyr (o-Tyr) が存在するが、フェニルアラニンヒドロキシラーゼによる酵素反応で合成されるのは p-Tyr のみである。
- 他の2つの異性体は酸化的ストレスが高い場合にヒドロキシルラジカルの攻撃によって生成する。
- チロシンは酵素チロシンヒドロキシラーゼによってドーパに変換される。
- プロテインキナーゼの作用でリン酸基による修飾を受け、ある種の酵素の機能や活性を変化させるため、シグナル伝達で重要な役割を果たしている。
- リン酸化されたチロシンはフォスフォチロシンと呼ばれる。
- また、チロシンは甲状腺ホルモンのチロキシン、トリヨードチロニンやメラニン色素、生理活性なカテコールアミンであるドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリンの前駆体である。
- ケシがモルフィンを生産する際にも用いられている。
- また、りんごを変色させる原因となる物質としても知られている。
チロシン(Tyrosine)の構造式
チロシン(Tyrosine)の構造式