日本薬学会第129年会 | 発表報告

イベント情報

2009年3月26日(木)~28日(土)の3日間、京都市にある国立京都国際会館にて日本薬学会第129年会が開催されました。

日本薬学会第129年会

京都での開催は11年ぶりで、今回の学会のテーマは、「創と療の伝統と革新」と題して行われました。

アークレイでは今回の学会において、「アンチエイジングの観点から見た、混合ハーブエキスと漢方原料からなるカプセル型食品の有用性」という題で、株式会社AVINホロメディコプロジェクト、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターとの共同研究結果についてポスター発表を行いました。当日の発表は株式会社AVINロメディコプロジェクトの代表取締役であり、医師でもある田村隆朗先生が担当されました。

発表当日は初日の午前中でしたが、大勢の方々に見ていただくとともに、多くの質問もいただきました。

発表要旨は以下の通りです。

目的

Chamaemelum nobile(ローマカミツレ)、Crataegus oxyacantha(セイヨウサンザシ)、Houttuynia cordata(ドクダミ)およびVitis vinifera(ブドウ)からなる混合ハーブエキスには、糖化によるタンパク質老化物質の1つであるAdvanced Glycation Endproducts (AGEs)の生成阻害作用が知られている。一方、温性薬として漢方方剤に使用される生姜(Zingiber officinale)と山椒(Zanthoxylum piperitum)には消化管運動促進作用、血行促進作用が知られている。

これら3種類をカプセルに充填した食品(カプセル型食品)を、健康成人及び糖尿病・高血糖成人が摂取した時の皮膚中AGEs蓄積抑制およびQOL変化の有用性を評価した。

方法

被験者は、健康成人8名、糖尿病・高血糖成人4名とし、カプセル型食品を1日4カプセル、12週間連続摂取した。皮膚AGEs蓄積はAGE reader(DiagnOptics)により測定した。QOLは抗加齢QOL共通問診票にてモニタリングした。

なお本試験はヘルシンキ宣言の精神に則り、倫理委員会の承認を経て行なわれ、被験者は試験の内容を十分に理解し、同意書を提出して自主的に参加した。

結果および考察

カプセル型食品の摂取により、皮膚AGEs蓄積の抑制が健康成人で有意(P=0.012)、糖尿病・高血糖成人で4名中3名に認められた。抗加齢QOL共通問診票による有症状者の改善は、「便秘」(83.3%)、「冷え症」(71.4%)であった(P=0.043)。

以上の結果、混合ハーブエキスと生姜、山椒を組み合わせたカプセル型食品の摂取は、皮膚中のAGEs蓄積を抑制すると共に自覚症状を改善したことから、アンチエイジングの観点から有用である可能性が示唆された。

日本薬学会第129年会
日本薬学会第129年会

今回の発表で注目していただいた点はヒト試験において、非侵襲で抗糖化作用を評価して、皮膚中AGEsの蓄積抑制および皮膚弾力性の改善作用と体感性が出ているところでした。また、質問内容は「混合ハーブエキス、生姜、山椒の組み合わせにしたのはなぜか?」「混合ハーブエキスのAGEs生成抑制メカニズムは?」などがありました。

これまで、アークレイでは混合ハーブエキス「AGハーブMIX」を配合した食品について、基礎研究からヒト試験において血中AGEsの低下、皮膚弾力の改善作用を見出してきましたが、今回初めて、他の食品素材と混合した処方において、その有用性が認められました。

今後も、より信頼性の高いエビデンスを提供するとともに混合ハーブエキス「AGハーブMIX」の販売に努めてまいります。

ご多忙中にも関わらず、発表にお越しいただいた皆様におかれましては、誠にありがとうございました。

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