第28回日本肥満学会 | 発表報告

イベント情報

2007年10月19日(金)~20日(土)、東京都市センターホテルにおいて「第28回日本肥満学会」が開催されました。

第28回日本肥満学会

本学会は、1980年に肥満研究会として発足し、単なる「肥満」と病的な「肥満症」の概念を明確に定義し、肥満症に対する基礎的及び臨床的研究の一層の充実を図ることを目的として活動している会員数約2,000名(2007年現在)の学会です。

本年会において、10月20日、「クリプトベータ」に豊富に含まれるβ-クリプトキサンチンに関して、「β-クリプトキサンチンが脂肪細胞分化に及ぼす影響;アンタゴニスト活性の検討」というタイトルで、アークレイ株式会社、京都大学大学院農学研究科 食品生物科学専攻 食品分子機能学分野(独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所の共同研究成果の発表を行いました。

第28回日本肥満学会

本発表では、β-クリプトキサンチンよる核内受容体PPARγ(※)に対するアンタゴニスト作用を明らかにし、さらにDNAアレイを用いて脂質生成、中性脂肪合成に関わる遺伝子発現量の減少を確認しました。

これらの結果から、β-クリプトキサンチンは脂肪細胞の肥大を抑制し、さらに脂質合成を抑えることでメタボリックシンドロームに対して予防効果のあることが示唆されました。

発表はポスター発表という形式で行われ、共同研究先である京都大学大学院農学研究科所属の大山夏奈さんが発表されました。発表会場は比較的狭いところではありましたが、数十人の方々に発表を聞いていただくことができました。

第28回日本肥満学会

メタボリックシンドロームは広く一般にも認知され、最近では診断基準におけるウエスト周囲径の見直しなども取りざたされるなど注目を集めております。肥満学会では毎年画期的で非常にレベルの高い研究成果が発表されておりますので、今後のメタボリックシンドロームに対する予防あるいは治療に関する知見が多く得られると思われます。

肥満学会では、食品由来成分に関する研究発表はそれ程多くはありませんが、今回私どもが温州みかん由来のβ-クリプトキサンチンに関する実験結果を公表できたことで、今後ますます多くの方にβ-クリプトキサンチンについて興味を持っていただき、商品化のお役に立てればと願っております。

今後は動物での評価結果あるいはヒトでの臨床試験結果につきましても順次発表していく予定にしておりますのでご期待ください。

PPARs :
ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体と呼ばれ、核内受容体スーパーファミリーに属するリガンド依存的転写因子です。哺乳動物においては3つのサブタイプが見出され、肝臓、心臓、骨格筋、褐色脂肪細胞、腎臓などに発現し、主に脂質代謝に関連するα(アルファ)型、脂肪細胞に特異的に発現し、脂肪細胞の分化と密接に関連しているγ(ガンマ)型、広範な組織に発現し、α(アルファ)と同様、脂肪酸の分解代謝に関与しているδ(デルタ)型が存在します。

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